2020年度、炊き出しに並ばれた方は平均237人。前年の166人と比べると約60人増えました。さらに、2021年は上半期だけの集計ですが360人。ほぼ倍増です。
グラフを見て頂ければわかりますが、てのはしの炊き出しに並ばれる人はずっと200人前後で推移してきました。リーマンショックの2009年に330人というピークを迎えましたが、その後はゆっくりと減少してきて、もうリーマンの時のようなことは起きないんだろうなと思っていました。
そこにコロナ禍です。巻頭でも書きましたが、最初は徐々に並ぶ人が増えて「波が来た」と感じました。そして年が明けてからその波がさらに高くなり、いまは津波です。
ただ、池袋の路上生活の方の数は増えていません。最近、夜回りで合う方は40人程度で、6年前の91人と比べると半分以下です。オリンピックを当て込んで野宿できる場所がつぎつぎに改修されたこと、長期の路上生活者が私たちのシェルターを使って次々に路上を脱出していること、新たに困窮した人は駅や公園で寝るという生活が最初から選択肢にない人がおおいということがその理由と考えられます。
炊き出しの調理場は密になることが避けられませんので、去年3月以来調理は中止して、ずっとお弁当を個人経営のお弁当屋さんに作ってもらって配布しています。お弁当屋さんがほぼボランティアで安く提供してくださっていますが、それでも最近は1回の弁当代が20万円を超えています。ご支援をよろしくお願いします。

この記事を書いた人

清野 賢司

清野 賢司

都内中学校の社会科教員として働いていたところ、2002 年に東京都東村山市で起きた中学生によるホームレス暴行死事件に衝撃を覚え、2004 年から総合学習で「ホームレス」問題の授業を行う。2017 年に退職し、特定非営利活動法人TENOHASI 事務局長としてホームレス支援活動を開始する。