炊き出し・夜回りでの生活相談にも多くの方々がいらっしゃいました。

2021年度の相談者は361人(実数)で、新記録更新です。

*参考 

2019年133人

   2020年294人

相談者の平均年齢は約50歳で例年とほぼ変わらず。女性は42人で一割強でした。

相談内容は多岐にわたります。

おもな相談を挙げると・・・

1.コロナで仕事を失ったり、シフトが減るなどして収入が減り生活困窮になった。

2.貧困ビジネスの宿泊所に入って生活保護を受けたが、集団生活のストレスと、保護費のほとんどが利用料金にとられるのでいやになって逃げてきた。

3.障害があって生活保護を受けたが、人間関係などのトラブルから施設やアパートを出てきた。

などです。

ただし、1から3は明確に分けることが出来ません。

例えば、

「障害をかかえながら働いてきた。コロナ禍で仕事を失ってアパートも失った。貧困ビジネスに声を掛けられて宿泊所に入って生活保護を受けたけれど、宿泊所でさまざまなストレスを感じて逃げ出し、てのはしに相談した」というようなケースです。

相談者への支援は①生活保護申請の同行 79人②自立支援センター申請の同行 14人 ③就労支援 11人

その他、家探し・弁護士を紹介・生活保護についての質問に答える・生活保護のワーカーとの折衝などのさまざまな対応を行いました。

 仕事探しの相談には、てのはしに寄せられた求人を紹介したり、自立支援センター(就労のための公立の寮)を紹介しました。

 仕事にいくための交通費や会社の寮に入るまでのネットカフェ代をお渡ししたケースもあります。

 仕事がうまくいかなくて、再度相談し、生活保護申請に同行したケースもありました。

 一回限りで終わる相談もあれば、何回も続く相談もあります。

 毎回、近況報告に来てくれる人、行政や大家への不満を吐き出しに来る人、不安を語ってくれる人などなど。

 一人一人の困難は複合的で、例えば生活保護を受ければ一件落着ということではありません。その先に長い道のり・・一人一人の人生があります。

 そこに行けば気軽に何でも何度でも相談できる、そんな生活相談の場を続けていきたいと思います。  

この記事を書いた人

清野 賢司

清野 賢司

都内中学校の社会科教員として働いていたところ、2002 年に東京都東村山市で起きた中学生によるホームレス暴行死事件に衝撃を覚え、2004 年から総合学習で「ホームレス」問題の授業を行う。2017 年に退職し、特定非営利活動法人TENOHASI 事務局長としてホームレス支援活動を開始する。